白鳳会鷲見病院 鷲見靖彦会長の最後の児童健診が中日新聞に掲載されました

2020年7月16日広報誌

白鳳会鷲見病院 鷲見靖彦会長の最後の児童健診が中日新聞に掲載されました
2020/7/20 中日新聞(PDF)


以下、全文

児童の健康見守り28年

白鳥の学校医鷲見さん最後の健診

 

手作りフェースシールド70個贈る

 郡上市白鳥町の那留小学校で13日、学校医鷲見靖彦さん(77)による最後の児童健診があった。鷲見さんは同町の鷲見病院で長年診療を続け、現在は病院を運営する社会医療法人白鳳会の会長を務めている。医師として28年間も児童の健康を見守ってきた鷲見さんはこの日、新型コロナウイルスの感染防止のために手作りした簡易フェースシールド70個を贈り、通い慣れた学校を去った。

(中山道雄)


児童たちの健康診断をする鷲見さん。30年近くも学校に通い続けた=いずれも郡上市那留小で

鷲見さんにもらったフェースシールドを手にする児童たち
鷲見さんにもらったフェースシールドを手にする児童たち
 

健診は保健室で行われ、全児童57人が受診した。鷲見さんは一人一人に声を掛けながら、のどの状態を見たり、聴診器で胸の音を聴いたりした。児童たちは最初緊張気味だったが、優しい鷲見さんに見送られて笑顔になった。

 休日に少しずつ作ったフェースシールドは、加工したクリアファイルの上部に形を整えるためのプラスチック板を接着。額に当たる部分にはスポンジが取り付けてあり、ヘッドバンドで簡単に装着できる。病院でも同じような品物を使っており、鷲見さんは「子どもたちに飛沫感染予防の意識を高めてもらえればうれしい」と話した。

 鷲見病院は郡上市の医療を担う総合病院で、救急医療の中核にもなっている。鷲見さんは1979年から鷲見病院に勤務し、院長や白鳳会理事長などを歴任。92年に那留小と北濃小の学校医を引き受けたが、今年限りで辞めることにした。

 「一時期はアトピー性皮膚炎になる子どもが多かった。学校医を長く続けたおかげで、子どもたちの病気の傾向か分かった」と鷲見さん。今年4月には病院に小児科を開設し、地域の人たちに喜ばれている。

 鷲見さんはスキー、スノーボードの負傷と治療に詳しく、学生のためのオリンピックとされるユニバーシアード冬季競技大会のスポーツドクターとして四回渡欧した。2009年には、郡上市高鷲町で開かれたスノーボードワールドカップの実行委員長を務め、大会を成功に導いている。

 若いころ、競技スキーでならした鷲見さんは「郡上には多くのスキー場がある。せっかく雪国に生まれたのだから、子どもたちがもつとウインタースポーツに親しめる環境を整えてやれれぱと思う」と話していた。北濃小の児童健診は17日にあり、同校にもフェースシールド70個を届ける。学校医は小児科の医師に引き継ぐという。

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